このCD−ROMを買えば、BIRDのホームページなんて必要ない
ぢゃないか。JAZZファン必携。絶対に買って損はないと思います。
BIRDとは何者か?そして彼はどのように凄いのか?
こんなことJAZZファンにとっては当たり前のことなんですが、ここは自然は好きだけどJAZZのことは知らないという人が結構来られるようです。そこで僭越ながら聞きかじりの知識で説明をばしときませう。 JAZZファンは読み飛ばしてください。(但し、間違ったことを書いていればご指摘のほどよろしくお願いします。)
「BIRD」ことCharlie Parkerは、1940年代後半から1950年代初めにかけて活躍した天才的アルトサックス奏者で、ビ・バップという新しいスタイルをひっさげてジャズに革命をもたらしました。
「ジャズに名演あって、名曲なし」という言葉に端的に示されるように、ジャズはアドリブ(即興演奏=インプロビゼーション)の芸術です。それは、ある場所である瞬間にしか存在しない生の音なので、譜面で残るものではありません。同じ演奏家が同じ曲を演奏したとしても、場所、時刻、共演者、さらに聴衆が違えば、それは全く別の作品です。
こういったジャズのありかたを神懸かり的なアドリブで体現してみせてくれたのが、BIRDなのです。
スタジオでレコード録音するときは普通同じ曲について何回も演奏して、その中で一番できがいい(あるいはプロデューサーが売れそうと予測した)ものを採用します。採用されなかった演奏を別テイクといいますが、ジャズでは同じ曲でありながら演奏内容がかなり違うことが多く、後で別テイクがまた発売されることさえあります。
BIRDの凄いところは、泉のように湧き出るインスピレーション故に、同じ場所同じ時に同じメンバーで演奏された同じ曲のテイクそれぞれの演奏内容がすべて違うということです。ですから全体の出来が悪かったり、演奏を失敗して途中でやめたりして本来ならボツとなって当然のテイクも、BIRDのアドリブが聞けるという点で、貴重な鑑賞の対象になります。
もちろんこんなことが起きるのは即興演奏の大天才、BIRDだからこそであり、ジャズミュージシャンすべてにあてはまるわけではありません。BIRDのフレーズが例えほんの切れ端でも入っていれば、どんなくず録音でも収集の対象となるのです。
BIRDも凄いが、このCD−ROMも凄い!!
まず、演奏そのものが素晴らしいのはいうまでもありません。このサヴォイ・レーベル時代の録音はダイアル盤とならんで、BIRDの生涯における絶頂期、一番光っている時期の記録です。同じ曲の別テイクが漏れなく収録され、BIRDの即興演奏家としての天才ぶりを思う存分楽しめます。
そして何よりも素晴らしいことはLPレコードでは6枚にわけて出された数々の演奏が、1枚のCD−ROMに収められているということです。ライブ録音のダイジェスト版も含めて全130テイク、4時間50分も詰め込まれているんですぞ!!
しかし、こんなことぐらいで驚くのはまだ早い。ここからが本当に凄いのであります。このCD−ROMは、BIRDを好きな人(後藤雅洋氏というJAZZ喫茶のマスターだそうです)が徹底的に細部にまでこだわって作り込んだ逸品なんです。
私は以前、ビートルズの A HARD DAYS NIGHT というCD−ROMが出たとき、音楽だけではなく脚本やスタッフなどいろんな角度から資料を検索できるんで、CD−ROMというのはこんな可能性を秘めていたのかと感動したことがありますが、このON
SAVOY に対してもそれに匹敵するぐらいの感銘を受けました。
各演奏は、レコード毎でも曲名毎でも検索でき、BIRDのファンなら誰でも興味のある各テイクの聞き比べが簡単にできる上に、BIRDのアドリブに関してとても詳しい解説がついており、解説文の該当個所をクリックするとその演奏が出てくるという親切さ。
バイオグラフィーも、BIRD以外のミュージシャンのものを多数収録。オリジナルレコードジャケットのコレクションをスライドショーで見られたり、BIRDのバイオグラフィーに対応したJAZZ史や世界史も用意されて関連人物名をクリックすればその人に関する説明が現れるなどもう至れり尽くせり。
果てはBIRDとガレスビーがテレビ出演したときの演奏シーンのムービーまであって、涙がちょちょぎれそうになってしまいます。
これは、BIRDの百科事典と呼んでもいいでしょう。コンピュータを持っている全てのJAZZファンにオススメします。絶対、買って損はありません。
"The Complete Collection of Charlie Parker on Savoy" HYBRID CD-ROM
COLUMBIA CORY-19 日本コロムビア株式会社 ¥9800(税抜き)