![]() DOT /日本コロムビア YW-8551-AO 1959年録音(アナログ) |
前回紹介したドン・ピューレンの特色たる打楽器的奏法で思い起こされる人といえば、まずこの人、エディコスタの名前が真っ先にあがります。それもそのはず、このコスタさん、ヴァイブ奏者としても有名な人ですから、ピアノもつい叩いてしまうんでしょうね。 私が好きなピアニストは、左手強力、低音ゴリゴリ、タッチはもろパーカッシヴ、そしてブルージーかつスィング感、ドライブ感たっぷりという人です。その点このコスタさん、白人で、ねばっこい黒さはないものの、まさに私好みであります。この人の演奏スタイルは、まあ他に類を見ないほど超個性的なものでして、アルバムの表題曲はそのエッセンスが集約されているオススメの1曲です。もう鍵盤の端から端まで使って左手はゴリゴリドライブするわ右手は叩きつけるわ奔放かつ鮮烈、キレがよくてスーパードライなんだけど、なぜか曲そのものが持っていたブルースフィーリングも感じさせるという不思議な魅力を持っています。 この録音の3年後自動車事故で夭折してしまったこともあり、彼のリーダーアルバムはそんなに多くなく、あの超個性的な演奏が聴けないのが残念です。 |
![]() MSP /テイチク ULS-6002-P 1975年録音 (アナログ) |
ピアノぶっ叩き日本チャンピオンといえば、この山下洋輔さん。私が生まれて初めて生演奏を聴いたジャズメンであります。 時は30年前、今も大阪にあるジャズ喫茶「インタープレイ・ハチ」では山下トリオの月例ライブが開かれていました。チャージは800円ぐらいだったかな?メンバーはドラム森山威夫にサックスは初代の中村誠一。ロック少年だった私は、ジャズに対してはなんかクラブなんかで軽く洒落た演奏をする大人の音楽というイメージしか持っていませんでした。そんな私がたまたま座ったのが森山のバスドラムの真ん前。演奏が始まってまずその迫力にぶっ飛びましたねえ。これに比べればそこらのロックの兄ちゃんの叩くドラムなんてへろへろぢゃないか。そしてそれに追い討ちをかけるかのような山下の空手チョップ肘うち奏法。もうジャズに対する認識が180度変わりました。そうかー、ジャズって肉体派の音楽だったのかあってね。そうです、山下トリオの演奏こそ、私のジャズ体験の原点なんであります。 このアルバムは、ヨーロッパを興奮の渦に巻き込んだ、ドイツはハイデルベルグのコンサートライブです。サックスが坂田明に替わってもうパワー全開、大爆裂の演奏!!セシル・テイラーなんぞはなんか理屈っぽいところがちょっとなあって部分があるけど、同じフリーでも山下トリオの演奏はもろ肉体派ジャズって感じで好きやなあ。それにしても、ハチで初めて坂田明を見たときは、とてもジャズミュージシャンには見えませんでしたなあ。あ、演奏曲目にも「HACHI」は入っていますね。 その後、山下はジャズピアニストとしてだけではなく、タモリを発掘したり、タレント、文筆業に忙しくなったのかあんまりハチには来なくなったし、私もあんまり聴かなくなってきたけど、今でもこんな肉体派の演奏をしているのかなあ。 |
![]() SOMETHIN'ELSE TOCJ-5570 1994年録音(CD) |
山下洋輔ほどぶっ叩きはしませんが、この大西順子さんのピアノもパーカッシブかつパワフルで好きですなあ。私は80年代初頭から96年までの十数年間、ジャズから遠ざかっていたんですが、ジャズファンに復帰して最初に買ったCDのうちの1枚がこのアルバムだったと思います。そして、ジャズから離れていた間に、日本にこんなイキのいい若手が育っていたんだなあと嬉しくなってしまいました。 ライナーノーツには、「90年代のエディ・コスタ」なんて表現が見受けられましたが、ホント、コスタを彷彿とさせる力強さ、スイング感、そして才気が感じられます。私はリリカルな魅力よりも、これぐらい思いっきりよく弾きまくる、ヴァイタリティ溢れる魅力の方が好きですな。しかも、女性ってんですから、日本の将来は明るい!!なにしろ名門ヴィレッジ・ヴァンガードのライブなんでっせ。 まあ、残念なことに、こういうヴァイタリティ溢れるっちゅうか、鼻っ柱の強そうな女性は日本では叩かれる運命にありますが、それにめげず、順子さん、自分のスタイル(まだ確立はしてないでしょうが)を崩さずがんがんピアノを叩きまくってくださいな。 |