![]() レーベル名未記載 レコード番号未記載 1972年録音(アナログ) |
今回は、ジャズかどうかも、なんや よう わけがわからんけど、聴いとったら、まあ、ええ感じやし、ムツカシイこと言わんと感覚で楽しんだらええんやないの?というアルバム特集であります。で、一番手はジャズ界の摩訶不思議な人物No.1であらせられますサン・ラ大先生の登場!彼のアーケストラ(オーケストラではない)には、かつてフリーマン親子も在籍したことがあるそうで、40年以上前からシカゴ前衛派として他の誰とも異なる独自の活動を続けていました。もうそのスタイルはなんとも言葉で形容し難く、フリー系の演奏もあるし、トラディショナルな演奏、さらには、宇宙との交信たらなんたらかなりアブナイものまでゴッタ煮であります。ステージも独特の衣装とパフォーマンスで、ぜひ生のお姿を見たかったんですが、もうお亡くなりになられております。私がジャズを離れていたときに、来日したような記憶もありますが、そうだったらホントに残念です。確か、フランク・ザッパと同じ年に亡くなったような気がしますが。 さて、このアルバムは、私が持っている彼のアルバム中、最も不思議なもので、パーソネルや録音データは器材まで詳しく記載されているのに、レーベル名や番号が見当たらないんですよ。随所に出てくるEl Saturn Researchというのがそれにあたるんでしょうか?A面全てを占めるのはスペース・エスニック・ヴォイセズと称するR&B風コーラスグループの唄が印象的なタイトル曲。B面は上述したようなゴッタ煮が4曲。サン・ラの楽器にはスペース・オルガンとクレジットされていますがどんな楽器なのでしょう。音はシンセらしきものが聴こえてきますが・・・。まあ、とにかく「これがワシのスペース・ミュージックぢゃ、文句あるか」と言われると「ははー」と思わずひれ伏してしまいそうになる音楽であります。 |
![]() american clave AMCL1007 1981年 (アナログ) |
このレコードも長らく謎でした。阪神大震災で壊れた実家を建て替えるため、レコードを捨てるものと残しておくものとに分けていたときに発見したものです。こんな名前聞いたことないし、中身も聴いてないし、だいたい買った記憶さえありません。たぶん輸入盤バーゲンで何十枚もまとめ買いしたときに、リーダー名は聞いたことないものの、サイドメンのチコ・フリーマンやカーラ・ブレイの名前で買ったんでしょう。そしてその後、結婚して実家を離れたんで一度も聴かれないまま十数年間実家に埋もれていたわけです。 シルバーコーティングされた(写真が撮りにくい!)ジャケットもユニークですが、中身もユニークです。このキップ・ハンラハン(読み方も最近まで知らなかった)という人、一応パーカッショニストとして参加していますが、演奏メンバーも演奏日時もトラックによってばらばら。しかも彼自身が参加していない演奏もいくつかあります。クレジットにテオ・マセロの名前が散見されますが、彼のようにプロデューサーも兼ねたミュージシャンという感じの新しいタイプのジャズメン(?)のようです。演奏の雰囲気もかなり不思議な感じで、パーカッションが全面に出てくるのですが、それにハンラハン自身または女性の、唄ともつぶやきともつかない声が入り、チコ・フリーマンがときにはロフト・フリー風に、ときにはゆったりトラディッショナル風にからんだり、アコーディオンが参加する曲もあります。たぶん自分のイメージに合わせてトラックごとにミュージシャンをいろいろな組み合わせで配置することが彼の「演奏」の一部でもあるんでしょうね。そして極めつけは、フランスの女流作家で映画監督もつとめた故マルグリット・デュラスのインディア・ソング。映画のテーマソングで、デュラスの葬儀にも流れたというカルロス・ダレッシオの名曲をなんとカーラ・ブレイが(たぶんフランス語で)唄います。けだるい感じで低くなげやりに唄うカーラの声にチコとアコーディオンが絡んでたまらなくええ感じ!・・・・うーん、これ1曲で買いですな。 |
![]() ELECTRA/MUSICIAN I9 60844-2 1989年(CD) |
最後もまたわけのわからん人の登場です。このジョン・ゾーンさん、私のイメージではジャズというよりも現代音楽的な実験音楽をいろいろ試みてきた人という感じがしてました。ですから、汗を散らしてひたすら熱くアドリブで勝負するという単純な肉体派ジャズが好きな私にとっては全く興味の対象外の人でした。 しかし、このアルバム、今まで作曲者、またはパフォーマーというイメージのゾーンさんが、ミュージシャンとしてアルト・サックスを一生懸命吹きまくっているという点がまず興味をひきます。演奏曲目は、なんと全編オーネット・コールマンの曲ばかり、しかも、1曲あたり2〜3分の演奏が17トラックもあります。メンバーは、ゾーン自身と僚友ティム・バーンの2本のアルトとベース、そして2ドラムという構成。オーネットの過去の名曲のテーマを2ドラムの超ヘビー超急速ビートにのせて2アルトが全力疾走でもうひたすら吹きまくります。過去にもスーパー・サックスなんてバードのフレーズを忠実にコピーしたグループがありましたが、これとは音楽としてのレベルが違います。全く新しい音楽がそこに現れているんですよ。私も、はじめはオーネット様を単なる素材のひとつにしたサウンド・コラージュの試みのひとつかなと思って聴いたんですが、実際聴いてみたら、あーた、もう、ハマッてしまいましたがな。素材としてのオーネットの曲自体も当然よかったこともあるのでしょうが、やはりそれを単なるトリビュートではなく、全く別の次元の音楽に生まれ変わらせてしまったのは、ゾーンの企画、演奏、そしてジャズとオーネットへの愛が素晴らしかったからですな。古くからのオーネット様のファンは、この演奏を聴いて怒るかもしれませんが、私は一時、CDウォークマンに入れて持ち歩くほど好きでしたね。こんな私ってやっぱり変? |