なぜか気になるこの1枚vol.27

THE WORLD SAXOPHONE QUARTET


PROPHET/OLIVER LAKE


BLACK SAINT
BSR 0044
1980年録音
(アナログ)
 追悼盤ではありrませんが、前項と同じく女性トランペッターとともにアルトサックス奏者が演奏するドルフィー集です。このオリバー・レイクというヒト、W.S.Q.に参加したり、レゲエに走ったりとなかなか正体が掴めないヒトであります。彼がジャンプ・アップというレゲエ・ファンク(?)グループを結成したのは、たぶんこのアルバムの後だと思うんですが、ヘアスタイルもファッションもレゲエ風になっちゃって、フリー系のインプロバイザーという彼のそれまでのイメージとのあまりの落差に驚いたものです。確か2枚ほど持っていたはずですが、今手元にはなく、ビックリしたという印象しか残ってないので、また買って聴いてみたいなー。楽しそうにヴォーカルもとってたはずですが・・・。
 そんな彼が全6曲中3曲でドルフィーを演っているのがこのアルバムですが、1曲がブッカーリトルとの超名盤「アット・ザ・ファイブ・スポット」から、2曲がこれまた傑作、フレディー・ハバードらとの「アウト・トゥー・ランチ」からってんですから、ドルフィー・ファンには堪らない選曲です。
 上では、正体が掴めないなんて書きましたが、このアルバムでのレイクたるや、アルト1本での真っ向勝負、インプロバイザーとしての本領発揮しております。tpのバイキダ・キャロルも果敢なプレイでブッカー・リトル役(?)を相務め、好感が持てます。また、pのドナルド・スミスは、あのロニー・リストン・スミスの弟で唄も上手い人ですが、ここでは、セシル・テイラーばりの真摯なプレイを聴かせてくれます。レイクのソロをたっぷり楽しみたい人にオススメのアルバムですね。




STEPPIN' WITH/THE WORLD SAXOPHONE QUARTET


BLACK SAINT
BSR 0027
1978年録音 (アナログ)

 上記オリバー・レイクも参加している、ロフト系サックス奏者で結成されたグループです。他の3人はジュリアス・ヘンフィル(アルト、ソプラノ)、デビッド・マレイ(テナー、バスクラ)、ハミエット・ブルーイット(バリトン、フルート)というそうそうたるメンバーです。こういう人達がリズム隊なしにやるんだから、無調でひたすらフリー・インプロビゼーションで攻めまくるのかと思いきや、意外に(あくまで思ったよりはですが)構成された演奏だったりします。6曲中、4曲がジュリアス・ヘンフィル提供の曲なので、たぶん彼がリーダーシップをとっているんでしょうか。、ミックス・エンジニアとしてもなぜか彼の名前がクレジットされていますし。
 リズム隊なしの管楽器だけの演奏にもかかわらず、フリーっぽい演奏にもリズムが感じられ、聴いてて体がスイングさせられるのは、やはり彼らが共通してブラックミュージックをルーツに持つからでしょうか。A面冒頭曲「STEPPIN’」でそう感じました。日本人やヨーロッパのミュージシャンではこうはいきませんよねー。さらにB面の「P.O.IN CAIRO」や「R&B」ではまさにリズム&ブルースのノリを感じてしまいます。このグループ、かなり長期間続いているようですが、今はどうなってるんでしょうね。
 




DEEP RIVER/DAVID MURRAY


DIW
DIW-830

1988年録音(CD)
 今回はW.S.Q.特集ということで、お次はジュリアス・ヘンフィルにつなごうとしたら、彼のアルバム、手元に残っていませんでした。というわけで、「オススメの1枚」のコーナーで紹介済みながら再びマレイの登場と相成った次第でありrます。そのとき紹介した「モーニング・ソング」では、ベテラン陣のピアノ・トリオをバックにトラディショナルな面を出し始めたところで、それ以降ジャズから離れてしまった私は彼がどうなったのか知りませんでした。
 このアルバムは、最近、ジャズ・ファンに復帰してから買った唯一のマレイのCDです。ピアノ・トリオをバックにワンホーンで吹きまくっているのは、「モーニング・ソング」と同じですが、音色は私の期待通り、より太く豪放になっており、嬉しくなってしまいました。これは日本の会社がプロデュースした作品で、解説によると、「ラヴァーズ」というバラード集(よく売れたらしい)を録音したときに、バラードばかりだとやってられないから気分転換に演奏したものをアルバムにしちゃったそうです。「Mr.PC」なんか聴いてるといかにも鬱憤ばらしって感じで吹きまくっているけど、わたしゃこういう演奏の方が好きですね(って、バラード集聴いてないからなんとも言えんけど・・)。ピアノはなんとデイブ・バレルで、昔フリー系の演奏やってたイメージしかないんだけど、これがまた伴奏でいい味出してはります。そういえばピアノ・ソロ集出したときもストライド風の演奏してたし、幅広い面もあったんですな。
 マレイの演奏は続編もいっぱい出ているらしいので、これからCDも買わなきゃね。