なぜか気になるこの1枚vol.20

ワイルド・テナー


FORREST FIRE/JIMMY FORREST


PRESTIGE/NEW JAZZ 8250
1960年録音
(アナログ)
 前項紹介のラリー・ヤングが参加しているワイルド・テナー、ジミー・フォレストのアルバムです。但しここでのヤングは、まだ泥臭いオルガンを弾いています。
 またコンガも入っているんですが、パーソネルには名前がないというエエ加減さ。ま、このへんのいかがわしさが、また魅力でもあります。でも、オルガン+コンガというだけで真摯なジャズ・ファンからはそっぽを向かれて、ジャズ喫茶ではまずかかりませんでしたね。

  しかし、このフォレストさんのアーシーでよく唄うテナーにはオルガンやコンガがよく似合います。垂れ流し的なブローが多いとかで、評論家連中からは一流の仲間入りをさせてもらえないようですが、このアルバム中の「JIM'S JAM」のようなジャムセッション風ブルースにおけるブルージーかつワイルドなプレイが、私にはたまりまへん。
 この人の場合は、ワンホーンで心ゆくまでブロウさせてあげたいですね。やっぱ、このハードな音色がいいんだなー、もう。

 というわけで、今回から当分テナー特集。もちろん私の好みでありますから、黒い、臭い、濃いの3Kテナーね。




LIVE AT SANDY'S/BUDDY TATE


MUSE/キング K22P 6036
1978年録音(アナログ)
 またまたワイルドな魅力あふれる豪快テナーマンの登場です。アーネット・コブとともにテキサス・テナーを代表するバディ・テイトさん、64歳のときのライブです。
 このときのライブは、ミューズ・オールスターズ・ライブとして先にアーネット・コブ名義のものが出ていましたが、こちらはテイト中心のセッションを集めたもので、最後のトラックのみ、コブが加わったジャムセッションになっています。

 4歳年下のコブの激しさには、さすがに負けますが(そりゃコブが凄すぎる)、それでも太く、たくましく、歌心もあるテナーは64歳とは思えない迫力です。写真でみるとお洒落なおじさんって感じですが、元気ですねえ。なんか、この歳でスコット・ハミルトンなどの若手ともテナー・バトルしてるらしいですよ。うまいんだかどうか私にゃよくわからないクラリネットも披露してくれてご愛嬌。レイブライアントのピアノも、この手のアーシーな演奏にぴったりはまって、いい感じです。




VERY SAXY/EDDIE"LOCKJAW"DAVIS, BUDDY TATE,
COLEMAN HAWKINS,ARNNETT COBB


PRESTIGE/ビクター VIJ-5069
1959年録音
(アナログ)
 いやあ、凄いですねえ。見るからに臭ってきそうなアルバムですねえ。豪快テナー親父の揃い踏みです。SAXY→SEXYという駄洒落のタイトルもなんかオヤジギャグですが、実はこのタイトル曲、もろに「スイート・ジョージア・ブラウン」のパクリです。誰が聞いてもわかるのに、このへんの強引さ、エエ加減さがいかにも豪快オヤジらしいですなあ。
 オススメの1枚で紹介した「ジャズ・テナーの父」コールマン・ホーキンスの音色が、私は大好きなんですが、ここに登場する他の3人もいずれも力強くワイルドなブロー・テナーが売り物の面々です。ですから、このアルバム、編曲もへったくれもありません。テーマのユニゾンとかソロを取る順番とか必要最小限のお約束だけがあって、もう後は、「わしは、わしのやり方でやるけんね」って感じで、それぞれのブローしまくり大会。全曲、こんな感じでひたすら力技で押し通すのみですから知性派には堪えられないでしょうね。もちろん、理屈拒否・体感重視派の私にとっては、大好きなアルバムです。