![]() SONET/テイチク UPS2021N 1970年録音 (アナログ) |
前項の才女アビー・リンカーン作詞の「ブルー・モンク」をオリジナルより上手く(失礼)歌っているのが北欧の歌姫カーリン・クローグです。専らブルース系の黒人歌手しか聞かない私ですが、彼女だけは話が別。本来ならオススメの1枚の方に入れたいほど好きなんですが、うっかりして入れ忘れちゃいました。 彼女は他のアルバムでは結構前衛っぽい試みをしており、歌い方もかなり器楽的です。ま、それはそれなりに好きなんですが、このアルバムでは御大デクスターゴードンとともに、ゆったりと味わい深い雰囲気を醸し出してくれ、実に聴き応えのある仕上がりになっています。まさにタイトルのブルース・アンド・バラードの看板に嘘偽りなし、ゴードンさんとのボーカル・デュエットまで飛び出してホント楽しいですよぉ。絶対オススメの1枚です。彼女は後にアーチー・シェップとも共演していますが、テナーおじさんとの相性がいいんですな。 ちなみにジャケット写真右上に見える黄金のシールは、SJ誌選定ジャズディスク大賞ボーカル賞受賞(1971)を示すものです。 |
![]() SteepleChase 15PJ-2029 1977年録音 (アナログ) |
元デューク・ジョーダン夫人という彼女、唱法も個性的ですが、人生も個性的で、かのチャーリー・パーカーと共演したことがあるというほど長いキャリアを持ちながら、リーダーアルバムが極めて少ないことで有名です。 32歳でのデビューアルバムはブルーノート初のヴォーカルアルバムだそうで、このアルバムもスティープル・チェイス初のヴォーカルアルバム、この後、ECMが初めて出したヴォーカルアルバムも確か彼女のもののはずで、なんか玄人受け、通好みって感じですね。このアルバムにしても全編ベースとのデュオでして、玄人受けはするでしょうが、聴いてて楽しいかと尋ねられると、答えに詰まってしまいます。歌というより、ひとつの楽器としてベースと対峙しており、凄い緊張感が感じられます。ま、上手いということは確かなんですが、私の場合、熱い興奮がないと、ちょっと・・・・。でも、行きつけのジャズ喫茶で結構かかっていたこともあり、こういう唱法も嫌いではないだけに、気になる1枚ではあります。 |
![]() ABC ASD9321 1958〜61年(アナログ) |
女性ジャズ歌手で個性派中の個性派といえばこの人しかいないでしょう。彼女の歌は、ボーカルというよりもう楽器そのもの。しかも、その展開の仕方たるやヒジョーに斬新、常識破りで、聴いててとてもスリリングなものがあります。声自体もかなりアクが強いので、嫌いな人は全く受け付けないみたいですね。でも、私の場合、英語が不自由なので「どうせ、オレには歌詞の深い表現なんてわからんわい」という歌ものコンプレックスがあり、歌詞よりも楽器的な即興性の部分を重視する彼女のスタイルになんとなく親近感を覚えるのであります。 彼女のアルバムはルーレットからのものや、1970年以降彼女自身のレーベルから出た一連のものが有名ですが、今回紹介するのはまだそんなにアクの強くない時代のものです。ABCインパルスから1976年に再発された2枚組ですが、もともとは、ピーコックというブルースとゴスペル主体のレーベルから出た彼女にとって2枚目のアルバム(編曲ジジ・グライス)と「モダン・サウンド・オブ・・・・」として出たもの(編曲リチャード・ウェス)とをカップリングしたもののようです。特にオススメというわけではないんですが、私にとってずっと謎のアルバムとして気になってたんで公開してみました。でも、改めて聴くと、この時代のベティもいいなあ。 |