| 新潟、群馬県境に位置する苗場山は、頂上4km四方がほぼ平らな湿原という他に類を見ない特長を持つ山である。木道が敷かれた広大な頂上には大小の池塘が散在し、高山植物が咲き乱れる。まさに神苑、桃源郷と呼ばれるにふさわしい山だ。7月上旬はナエバキスミレ、8月はトキソウ、9月はクサモミジの紅葉などが売り物らしいが、残念ながら私の行ったのは8月下旬の中途半端な季節の上、この年は天候不順で花はもうひとつだった。しかし、それを差し引いても余りあるほど苗場の頂上は素晴らしい場所であることを強調しておきたい。 入山は、秋山郷側からも、湯沢温泉(苗場スキー場方面)側からも可能。但し、下記の秋山郷和山からのコースは、主目的が温泉だったためとったもので、全コース中一番しんどいルートなのでおすすめできない。秋山郷なら小赤沢コースが車で三合目まで入れて楽。反対側なら祓川コースが和田小屋(又は途中のゲート)まで車で入れてこれまた楽だ。ただ、両コースとも、下がぬかるむので、スパッツは必携。 |
◎祓川コース:JR越後湯沢駅から、浅貝行きバス乗車20分、八木沢下車・・・徒歩7時間半
車の場合、林道ゲート又は和田小屋まで入れば徒歩4時間半で頂上(越後湯沢からタクシーで5〜6千円)
◎小赤沢コース:JR越後湯沢駅またはJR津南駅からバスで津南(大割野)まで。
津南から秋山郷和山温泉行きバスで1時間、小赤沢温泉下車・・・徒歩5時間半
車の場合、3合目まで入れば徒歩3時間半で頂上・・・たぶん一番楽なコース。
| 和山登山口7:50・・8:10?沢で寄り道&迷い道8:40・・9:15-二合目-9:25 ・・・10:35-四合目-10:45・・・11:15-五合目-11:45・・・13:30-沢の高巻き道- 14:00・・14:45小赤沢分岐木道・・・15:30苗場山頂上 |
前夜から和山温泉入り口(栃川高原温泉)にあるヒュッテひだまりに宿泊。ご主人の相沢さんに和山コースの詳しい情報を教えてもらう。このコースは他のコースにくらべてかなりキツイのであまり登る人はいないが、相沢さん達の努力で、登山道はきれいに笹が刈り払われていて迷う心配はまずない。
今日は、頂上までなので、余裕がある日程だ。朝も少しゆっくりめ。同宿の人は、山頂ヒュッテ建て替えのための資材を秋山郷側からヘリでピストン輸送しているそうで、先に頂上まで飛んで待ってますだって・・・・。
テニスコート脇の鎖をくぐって登山道へ。沢で、カワガラスの姿に思わず寄り道したのが間違いのもと、ついでに靴下までぬらしてしまった。そればかりか素直に沢の登り口まで引き返せばいいものを、釣り人の踏み跡から強引に登山道へ合流しようとして、迷ってしまい、結局30分以上もロスしてしまう。我ながらほんまアホやねえ。
2合目で上の原からの道と合流。やっと3合目まで登ったかと思いきやもったいないことにどんどん下って沢を渡り、また急登。前夜の雨で下がぬれている上に何もつかむものがないので、登りにくいったらない。もう、4合目、5合目あたりではバテバテだった。だから途中で高山植物を見る余裕もなかったが、アズマシャクナゲの実が目立ったぐらいかな?しかし、その後の平太郎尾根は思ったより順調で、涸れ沢を高巻く道で昼食。このコースはじめじめしてなくてスパッツいらずっていうのがいいね。なお、この後、湿原の中を通るのだが、木道もなく、踏み跡もかすかでガスられるとルートはわからない。そういう場合は、涸れ沢を登っていけばいいんだそうだ。
しばらくすると、小赤沢からの道と合流。後は木道の上を池塘を眺めながらのんびり歩くだけだ。頂上に着く直前で、登り出してから初めて他の登山者に会い、写真を撮ってもらう。山頂ヒュッテに泊まる人で、彼の話によれば遊仙閣も山頂ヒュッテも客は10人ぐらいだそうだ。人間が少ないというのは喜ばしい限りだが、ついでに花も少なく、苗場山頂はもう秋で、チングルマは実がかろうじて見られ、早くもオヤマリンドウが咲いているぐらいだ。湿原にポツポツと、イワショウブの白い花と赤い実が目立つ。後は、池塘のワタスゲ、ミヤマホタルイぐらいかな。花が咲いていないと何がなんやらわからないや。本来ならシーズンにはトキソウやキンコウカの大群落が湿原に見られるそうだが。また、景色の方は、ガスにたたられ、向こうの山小屋さえ見えない。こりゃ明日に期待するしかないや。
| 苗場山頂上付近散策(6:30--8:30)・・・下降地点9:00・・・10:10尾根筋で休憩-10:40 ・・・11:20フクベノ平-11:50・・・・12:30水場-12:40・・・・・14:10赤湯温泉山口館 |
ご来光は残念ながらガスで見えず。この日は、赤湯泊まりで余裕がある日程なので、すぐ下りてしまうのはもったいない。ガスが晴れるまで頂上周辺を散策する。8時ぐらいになるとだんだんガスが晴れてきて、あたりの景色が見渡せるようになった。それにしても、頂上4km四方がほぼ平らな湿原になっているなんて信じられない地形だ。こんな山って他にある?まさに神苑、自然の奇蹟。感動ものだぜい。これで、花の盛りの季節に訪れたら、もっと素晴らしいだろうなあ。そんなときなら、頂上を丸1日歩き回っても飽きないだろう。しかし、この花枯れの季節は、あたりを歩いても、昨日のオヤマリンドウ、イワショウブ、ミヤマホタルイ、ワタスゲ、チングルマの実ぐらい。後、ウメバチソウ、ミヤマアキノキリンソウ、トモエシオガマがちょっとってとこかな。それからゴゼンタチバナの実、シラネニンジン?コゴメグサの仲間、アザミの仲間があったんだけど、正確な名前はわからないや。
赤湯への下降点は、急に切り立った岩場になっており、冬はここに10m以上の雪庇ができて、行き来はできないそうだ。和山ルートにくらべるとずっと楽な道だが、ここから樹林帯の中で展望はあまり期待できない。
フクベノ平もブナの林に囲まれたいい雰囲気のところで、時間さえ許せば、寝っ転がって昼寝でもしていたい所だ。
今日の宿泊予定、赤湯温泉山口館の露天風呂は期待通り、よかった。渓流沿いに3つあり、一番下流のは女性専用なのでわからないけど、3つとも泉質が違うようだ。早朝、頂上を出発すれば、赤湯温泉で露天風呂だけ入って、元橋まで下りてしまうことも十分可能だが、やはり、ここは泊まってゆっくりしたい山の秘湯だ。
| 山口館8:20・・・10:00棒沢鉄橋-10:30・・・11:25林道から分岐-11:35・・・13:00元橋バス停 |
今日は、元橋のバス停までの道のり。これから残暑厳しい下界に戻るのかと思うと、足取りが重くなる。途中の棒沢鉄橋の滝は、涼しくてずっと休憩していたい場所だ。ちなみに地図では元橋茶屋というのがあって、ここで冷たい飲み物や昼食を期待していたら、大きな間違い。どこも店を閉めてしまっている。冷たいビールを飲みたい人は、一つ浅貝寄りの平標登山口のバス停にはじめから足を向けた方がいいね。
JR湯沢温泉までは、バスで約40分、1日8便。湯沢温泉駅構内にも、温泉施設「プラトー湯沢」がある。利用料は800円とちと高いが、とても立派な施設で、山の垢を落とし、休憩するには最適だ。